地域特性生かし拡大 JA木曽 田屋 万芳組合長

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田屋万芳組合長

―――新組合長に選任されての思いについて。
木曽の農業・経済は、高齢化・人口減少により耕作放棄地の拡大、鳥獣被害の拡大など、厳しい状況が続いている。それらの対応策の実践、また今年度から始まった次期3カ年計画の事業拠点再構築計画に基づく機構改革のかじ取りなど、代表理事組合長としての責任の重さを痛感している。
―――JAの現状の課題と対応。
木曽路は、県の南西部にあり、2016年に文化庁から日本遺産に認定された「木曽路はすべて山の中」の文字通りの山間地だ。約9割が森林で占められているが、中山道の木曽宿場町を有し、四季折々に訪れる人々を楽しませてくれる史跡や昔ながらの美しい街並みが多い地域。限られた農作地で生産される農産物はソバ、「御嶽はくさい」、インゲン、トウモロコシが絶品だ。 畜産では、県内有数の子牛生産地として、その繁殖に取り組んでいる。
最近では、大相撲の人気力士御嶽海関の故郷として知られるところとなり、県出身力士の活躍に地元の応援にも熱が入っている。
過疎化が進む木曽地域の農業の存続対策を講じながら、合わせて組織の弱体化に歯止めをかけ、JAの経営を安定的に存続させていくことが、大きな課題であると考えている。
―――経営トップとして今後のJA運営は。
厳しい環境下ではあるが、地域の組合員と一体となって事業を進めていく。地域の農業を維持することの重要性を訴え続け、木曽の農業を守り、地域の特性を活かした農畜産物の生産販売を拡大し、経営面でも一層の機構改革に取り組み、事業基盤の確立を図っていく。簡単ではないが、新しい時代に対応したJAづくりに努力していきたい。組合員が主役のJAであることを常に胸に抱き、組合員の声に耳を傾けながら、経営と運営のバランスを取り、期待に応えられるよう頑張りたい。

プロフィル 
たや かずよし 1953年生まれ。木曽町の出身。2013年代表理事専務理事、19年代表理事組合長に就任。

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