「雪中キャベツ」出荷が本格化

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「雪中キャベツ」を収穫する井上さん

小谷村で、特産のブランド野菜「雪中キャベツ」の出荷が本格化している。今シーズンは同村伊折地区や中土地区、北小谷地区など個人や生産組合など9生産者が栽培し、約51アールの畑に1万5000株余りを育てた。暖冬の影響が心配されていたが、年末年始の積雪などで良好に仕上がった。
同村の雪中キャベツの特徴は、根を付けたまま雪の下で育てること。雪の中で0度前後に保たれることによって糖度が増し、葉はもちろん、芯までもしっかり甘さが乗る。村内の生産者や村、JA大北などでつくる「信州おたり雪中キャベツ生産組合」が、雪中期間が14日間経たもの、村内で栽培されたものなどといった統一の独自出荷基準を定めている。今シーズンの出荷は、10日から始まった。
同村北小谷地区で昨年から栽培を始めた井上聡也さん(36)は、初収穫を迎えた。井上さんは、地域おこし協力隊員として1年半前に大阪府から移住。同地区のベテラン農家から勧められたのをきっかけに栽培を始めた。協力隊員としての仕事の傍ら、畑の管理や栽培技術などを農家らから教わりながら約1000玉を栽培。「初めてだったので、実際にうまくできるか不安だった。初取りを自分で食べてみたら、とても甘くておいしかった」と喜んでいた。
JA小谷営農センターは「今年は暖冬の影響などもあり、昨年よりも出荷解禁が半月ほど遅れたが、年末年始にかけての安定した冷え込みと積雪があり、出来は非常に良い。糖度はもちろん、玉の大きさも平均2キロと大きめのものが多く出荷されている」と話す。
また、今シーズンは、従来品種よりも寒さに強く、玉割れなどの障害を起こしにくく、2月以降の需要にも対応できるとみられる3品種を村内3地区で試験栽培。1月下旬から2月上旬にかけて収穫をはじめ、状態を確かめる。
収穫は2月中旬まで続く見込み。同村の道の駅小谷やJA小谷生活店、白馬村のA・コープ白馬店、県内一部スーパー、JA農産物直売所などで販売している。

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