工場建設で起工式、6次産業化へ弾み

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新たに建設する工場のイメージ図

長野県のJA佐久浅間は、同JAの人気商品で地域の特産ブランド「望月高原ヨーグルト」の増産と販路拡大などを目的に、新工場の建設に着手した。生産能力は現在の工場の約1.2倍に増強し、販売所を併設する。生乳増産に向けて販売力を強化し、酪農基盤の強化を図り、農家手取り向上につなげる狙い。11月26日には、佐久市協和の建設予定地で起工式を開いた。
施設は、鉄骨造り平屋建て。延べ床面積は約359平方メートル。現在の工場から約2キロ北の県道沿いに位置する。2019年春の稼働開始を予定。農水省の18年度強い農業づくり交付金事業を活用した。現在の工場は閉じて、製造は新工場に移管する。
新工場は1日当たり800リットルの生乳の受け入れが可能。主力の「のむヨーグルト150ミリリットル」の生産目標は、年間約50万本としている。
起工式にはJAや行政、地権者、JA全農長野、施工業者ら約50人が出席。神官が神事を行った。JAの浅沼博組合長は「農家の生産意欲向上につながるよう、農業所得向上と地域農業の活性化に取り組みたい」とあいさつ。栁田清二佐久市長は「6次産業化による雇用増大や観光振興など、地域発展の核となる新たな拠点に期待している」と話した。
「望月高原ヨーグルト」は、工場から5キロ圏内の酪農家の生乳を原料に使う。集乳車が酪農家を巡回し、搾乳した生乳を2時間以内に受け入れ、翌日には店頭に並ぶ新鮮さが特徴だ。香料や酸味料を一切使わず、まろやかで優しい味わいが好評。主力の「のむヨーグルト」は、主に佐久地域のスーパーや土産店、道の駅、直売所などで扱い、JAのネットショップでは県内外から注文がある。ソフトミックスも製造し、それを使った「望月高原ソフトクリーム」は道の駅などで人気だ。
新工場では、新たに「ソフトヨーグルト」を生産予定。JA管内特産のプルーンやリンゴ、桃などのピューレを使い、滑らかな食感が売りだ。

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