ジュース用トマト振興

JA全農長野中信事業所とJA園芸事業推進協議会は19日、松本市のJA中信会館で「第35回中信地区ジュース用トマト共進会」を開いた。最優秀賞の県知事賞は、多収穫の部でJAあづみの石曽根正尚さん、新規生産者の部でJAあづみの千野寿之さんを選んだ。
長野県は、全国のジュース用トマトの生産量の約30%を占める産地。中でも7割を占める中信地区の松本や安曇野を中心に、3部門に94点の出品があった。審査は10月29日にJA中信会館で、加工会社や県関係機関、同事業所の関係者が行った。
ジュース用トマトの生産振興と栽培技術の向上、安全・安心な原料の安定的確保と生産農家の所得向上を目的に開く。各部門ともに、10アール当たりの収穫量と総栽培面積を基準に審査した。
これまでの「多収穫の部」「多収穫地区の部」の他、今年は栽培開始3年以内の生産者を対象とした「新規生産者の部」を新設。最優秀賞をはじめ、各賞に選ばれた約30人に褒賞を授与した。
今年は、少雨の干ばつ傾向で生産はやや不良。収穫最盛期の7、8月上旬にかけては記録的な猛暑が続き、着果不良や小玉傾向となり、これまでに経験したことがない極めて厳しい栽培環境となった。
新規生産者の部で最優秀賞の千野さんは「関係者の皆さまのおかげで受賞することができた。出荷期間の延長対応をしていただき、最後まで出荷に努めたが収穫量は少なかった。来年は高収量を目指し頑張る」と意欲を示した。
多収穫の部で最優秀賞の石曽根さんは「栽培管理や防除は、JAの指導に基づき行った。今年のような高温期には、日焼け防止に備えたわら掛けの励行と、涼しい朝方の時間に小まめな収穫をしたことで、最優秀賞を受賞することができた」と話した。
同日は生産振興大会も開き、受賞者や部会役員による栽培技術の紹介、県野菜花き試験場による品種開発動向などの講演があった。

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