仮設でも表札を

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被災地を思い表札作りに励む宮坂さん

長野県千曲市のエンジン部品などの木型を作る「宮坂木型」代表で、兼業農家の宮坂良夫さん(67)は、昨年4月に起きた熊本地震の被災地に表札を贈るボランティアを続けている。被災者からの感謝の言葉を励みにして、依頼を受けた約400世帯分の製作を進める。
表札を贈ろうと思い立ったのは、2007年の新潟県中越沖地震。宮坂さんの身内も被災し、仮設住宅を訪ねても「どこに誰が住んでいるのか分からなかった」ことがきっかけだ。11年には東日本大震災と長野県北部地震が発生し、「仮設住宅に掲げる表札を作ろう」と考え、長野県栄村の49世帯に贈呈。14年11月の長野県神城断層地震でも白馬村の29世帯に贈った。
表札の木材は、加工しやすく、時間がたっても縮みにくいヒメコマツを使用。縦16センチ、横7センチ、厚さ1.5センチ弱で、依頼を受け、全て手作業で作る。友人7人と結成した「"なかま"ありあけ」のメンバーが製作費の一部を負担したり、表札の名前に間違いがないか確認したりして宮坂さんを支える。
昨年11月には、33世帯分の表札を宮坂さんらメンバーが熊本県嘉島町を訪問して手渡した。

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