リンゴ新わい化栽培講習、普及加速 後押し

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新わい化栽培のポイントを紹介した植え付け講習会

JA須高は、高密植で早期に収量を確保できる、リンゴの「新わい化栽培」の普及を、講習会や費用助成などで後押ししている。多収で、品質がそろうといったメリットを最大限に生かして、生産基盤を強化する狙いだ。
新わい化栽培は、専用苗木を多く使い、トレリスという果樹棚の整備も必要で、苗木代や資材代の初期投資が大きい点が普及のハードルとなっていた。そこでJAは苗木を年間1500本ほど供給。JA独自の助成制度「農業開発事業」で、苗木代と果樹棚の資材代をそれぞれ最大20%補助する。この助成は、改植費用や改植で収獲がない期間の経費を支援する国の事業と併用ができる。
普及のスピードを早めようと、2015年度に、生産者組織の「新わい化栽培研究会」を立ち上げ、巡回指導や、モデル園整備による農家手取り向上の実証も進めている。研究会は植え付け講習会を開催。圃場(ほじょう)の準備、植え付け、結果枝の下垂誘引、野ネズミや凍害対策などのポイントについて、園地で説明した。生産者31人が参加した。
JA高山支所営農生活課の荒井一矢営農技術員が、先進的なリンゴわい化栽培国であるイタリアの南チロルの視察報告をした。完成したわい化栽培園の様子や日本との相違点を説明。その上で、「植え付けや誘引が大変といったデメリットに目がいきがちだが、早期に結実し、多収で、品質がそろうといったメリットに目を向けていこう」と、新わい化栽培の活用を呼び掛けた。

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