JA北信州みゆきは、2016年度から調理用トマトの生産、販売に本格的に取り組む。栽培がしやすく、販路の確保が見込まれることから、生産を振興。農家でつくる研究会技術を磨き、品質を高めながら、生産拡大を目指す。
調理用トマトは、煮たり焼いたりといった加熱調理に適したトマトで、近年、消費者の注目を集めている。芽かきなどの手間が少なく、省力、低コスト栽培が可能。複数の種苗会社から専用品種が発売されている。
JAは、3年前から試験栽培をしてきた。数品種の中から、調理用に向く品種を選定。試験栽培の結果、一定の生産、販売方法が確立されたことから、生産拡大や高品質生産を目指して、15年10月に生産者が研究会を設立した。
16年度は25人の会員が栽培に取り組み、4万4000袋(1袋300グラム)の出荷を目指す。主に中京方面に出荷。販売先からは、消費者向けに食べ方の提案を求められているため、JAではレシピを提案し、販売拡大へつなげる。
JAは今月上旬、調理用トマトの栽培講習会を開き、栽培を希望する生産者18人が参加した。栽培方法や出荷規格などの説明があった。露地栽培で5月に定植し、収獲は7月下旬から9月下旬まで。収穫期の果実は80グラムほど。昨年は、収量が多い人で、1株当たり7キロ以上収穫した。
JAの内堀喜博技術員は、栽培の注意点として「生育中にトマトが地面に着いてしまうと、腐れや日焼けの原因となる。また、適正な薬剤散布を守ろう」と呼び掛けた。
今後は、定期的な栽培指導会や出荷目ぞろえ会を実施し、品質向上を目指す。