管内の米農家約40人が参加した現地生産振興研修会
JA北信州みゆきは、県の水稲オリジナル品種「風さやか」の振興に力を入れている。2016年の栽培面積は前年より1割ほど多い100ヘクタールの予定。品質の向上に向けて、栽培技術のマニュアル化や独自の品質基準設定などの取り組みを進める。
JAと県は、「風さやか」の現地生産振興研修会をJA本所で開き、県の担当者が推進方針や特性、高品質生産のポイントなどを紹介した。管内の米農家約40人が参加した。「風さやか」は県育成の独自品種で14年から出荷が始まった。県全体の栽培面積は13年の128ヘクタールから14年は588ヘクタールに増え、16年は1100ヘクタールに拡大する計画だ。
JAは10年からの試験栽培を経て14年に本格導入。15年の栽培面積は約90ヘクタールで、今年さらに拡大する。品質向上が課題で適期移植、もみ数制限、適正追肥などをマニュアル化して生産振興を図る方針だ。
JAで水稲を担当する高橋昌人技術員は、「コシヒカリとは味の方向性が違うことが特徴」と説明する。「風さやか」の扱いやすさや収量性が注目されているが、あっさりとした味は多くのコシヒカリ系品種では見られない特徴だという。ただ、青未熟が抜けにくく、品質が安定しない課題がある。JAは品質向上とともに販売に結び付くよう、独自の品質基準を設ける方針だ。
県は、「風さやか」のブランド確立を図り、農家の所得向上を目指すため、生産者団体や流通業者などで構成する推進協議会を設立。統一ロゴマークを使用したPRや、マニュアルに基づいた栽培指導の徹底に取り組んでいる。