キュウリ10アール11トン超、指導実り 来期へ弾み

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きゅうり部会定期総会の出席者

JA北信州みゆききゅうり部会は、2015年度の生産実績をまとめ、平均10アール収量は概算で11トン超の結果となった。春の干ばつや夏場の天候不順などで、露地栽培には厳しい気象条件だったにもかかわらず、県の指標に近い水準の収量を確保。かん水や排水対策の徹底などの技術指導が功を奏した形で、この結果をばねに来年度は出荷量、販売額ともに過去最高を目指す。
管内は露地の夏秋どりの作型が主体。県の経営指標では同作型の10アール当たり収量を12トンとしている。ただ、この指標は比較的技術水準の高い農業者を想定している上、昨年は厳しい気象条件だったことから、県の普及関係者は「11トン超の収量を確保できたことは高く評価できる」と説明する。
JAは、4月の定植時期から夏秋の収穫時期にかけて定期的な栽培指導会を開き、かん水や排水対策を呼び掛けた。栽培期間中には、営農技術員が圃場(ほじょう)を巡回し、天候や地域に適した栽培管理を説明。春に、かん水で初期生育を進め、夏以降も排水対策や適期防除で、生育と収量が確保できた。
毎年、定期的な指導会を開き、土づくりなどの基本技術が底上げされてきたことも大きい。この収量は、同部会の過去の実績からみても高い水準という。15年度の出荷量は前年比2%増の19万5445ケース(1ケース5キロ)、販売額は同1%増の2億7373万円。
同部会は定期総会で、これら15年度実績を報告し、来年度計画を決めた。16年度、出荷量は前年比8%増の21万1000ケース(1ケース5キロ)、販売額は同7%増の3億1520万円を目指す。達成すれば、いずれも過去最高となる。
部会には137人が在籍。近年、生産量は増えていて、主に中京方面に出荷している。JAは、キュウリを重点品目に位置付け、独自の支援策で生産拡大を後押しする。苗代を1割助成し、新規栽培者ではその半額を助成。水田転作で新植する場合は1アール当たり1万4000円を支給する。
15年度から9月以降に出荷する抑制栽培も、本格的に開始。出荷期間を延ばしている。16年度は15戸が取り組む予定。

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