棚田米のおこげ料理を振る舞う長野県短期大学の学生
千曲市食の文化祭実行委員会は、同市戸倉創造館で、千曲市食の文化祭を開いた。地元産の棚田米を使ったおこげ料理や、竹のとうじ籠で麺を温めて食べる地域独特の料理「おとうじ」などを振る舞った。昔の食事に使われていた箱膳体験や、握らないおぎにり「おにぎらず体験」などもあり、多くの家族連れらでにぎわった。
同文化祭は2010年から開き、今回で7回目。地域の食と農の課題を解決するため市が開いた「食と農のかけはしリーダー講座」を修了したメンバーで結成した「かけはしの会」が中心となり、郷土が育んだ食文化、伝統行事、農村の生活などを多くの人たちに伝えている。
今回、長野県短期大学の食品学研究室のゼミ生が初めて参加。同市八幡の国名勝「姨捨の棚田」で、自分たちで育てた棚田米のおこげに、エノキタケやニンジン、ハクサイなどが入った、とろみのある中華スープをかけた「棚田米をおこげDE中華♪」を100食用意して振る舞った。
市内から家族と訪れた古旗あかりさん(6)、ひかりさん(3)は「パリパリしていて、おいしい。中華スープの野菜もおいしい」と笑顔を見せた。
ゼミ長の杉田佳菜さん(20)は「お米を楽しみ、消費拡大の一つとしてレシピを考案した。学校生活だけでは体験できないことが体験でき、地域の食や農を学ぶこともできた」と話した。
実行委員長の松林美恵子さん(68)は「祖父母や両親から教わったことで、今の子どもたちが知らないことが多くある。自然豊かな千曲市の中で受け継がれてきた郷土の食と、命を育む農業の枠割、自然や人への感謝の心を伝えていきたい」と話した。