希少性売りに拡大、産地づくりへ助成

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JA管内で生産された「エッジドサーモン」

JA北信州みゆきは、花きの主品目であるシャクヤクの振興策として、2014年から有望品種「エッジドサーモン」の生産拡大を進めている。大手市場でも少量しか入荷しない希少性から高単価で取引され、JAは管内への導入を促して花き生産全体の活性化につなげる考え。現在、15戸が約43アールで3700株の種苗を導入し、19年に年間4万本の出荷を目指す。
JA花卉(かき)共撰部会は「産地に適した品目選定と市場要求の高い希少品種の生産が不可欠」とし、市場からの需要はあるが全国的に希少な「エッジドサーモン」に着目。当初は種苗が高額なことから導入に至る農家がほとんどいなかったが、14年からJAが種苗代の助成を始めた他、行政も支援を打ち出すなどした結果、導入する農家が増えてきた。
JAによると15年の平均単価(1本46円)に対し、同品種は247円と5倍強の高値で取引されている。JAで花きを担当する高橋徹也技術員は「エッジドサーモンの日本一の産地を目指し、管内の花き全体の向上につなげたい」と話す。
JA管内でシャクヤクは出荷本数、販売額とも毎年恒常的に伸びている有望品目。JAシャクヤク研究会には現在73人が在籍し、15年は出荷本数93万本(前年比8%増)、販売金額は同21%増の3300万円と好調だった。高齢者の引退や株の養成期間が長いことから大きな増加はないが、若手や定年退職者の作付けが増えている。

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