アスパラ冬季出荷へ、温床伏せ込み試験

「アスパラ冬季出荷へ、温床伏せ込み試験」の画像
ビニールハウス内に作った温床にアスパラガスの株を伏せ込む促成栽培

JAちくまはアスパラガスの伏せ込み促成栽培の試験を進めている。1年養成した株を12月にビニールハウス内の温床に伏せ込み、翌年2、3月の単価が高い時期に出荷する。現在は作型や品種、株養成方法、収量性などを検討中で、冬季に空く水稲育苗ハウスや農閑期の労力を活用して農家の所得向上につなげる考えだ。
試験栽培は、水稲の受託作業や育苗管理などの共同作業組織「ファーム西部」(千曲市)が同JAの農業開発積立金を利用して行っている。今回は品種を「ウェルカム」に絞り、2014年12月中旬に播種(はしゅ)。15年4月下旬から5月上旬にかけて8アールの露地畑に植え付けた。夏秋期の養成を経て今月18日に株を掘り取り、21日にビニールハウス内の温床に伏せ込んだ。
温床は底に電熱線をはわせ、四方を発泡スチロールで囲んだもの。そこへもみ殻を敷いて防根シートを張り、その上に根株を伏せ込み、きのこの廃培地で目土、覆土した。栽植密度は約5坪の温床に約1500株。電熱線を加熱して地温を20度に保って成長させる。
収穫は来年2月上旬から始め、来年3月上旬まで続ける予定。1株当たり150~200グラムを収穫し、収量は計200キロ以上を見込んでいる。
国内ではハウス栽培のアスパラガスが出てくるまで、冬に国産のアスパラガスはあまり出荷されないことから、伏せ込み栽培による冬季出荷で高値が期待できる。ファーム西部の代表、栁澤雅仁さん(63)は「冬場に空いているハウスや労力の活用になる。また、農閑期の収穫により所得向上につながる。収量アップを目指して栽培時期や方法などを確立していきたい」と話す。

MENU