芝で畦畔覆い、除草省力化へ

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畦畔に動力散布機で芝の種をまくJA職員と関係者

飯山市瑞穂地区の瑞穂水稲採種組合、中央耕作組合、針田集落協定の各農業団体は、畦畔(けいはん)を芝で覆い除草作業の労力軽減につなげようと本格的に取り組みを始めた。JA北信州みゆきや県北信農業改良普及センターと連携して進める。
雪印種苗(株)が同地区針田の畦畔で2009年から芝の播種(はしゅ)時期、播種方法など、さまざまな試験を繰り返す中で一定の成果を確認し、普及開始に至った。JA管内では12年から栄村で同普及センターが畦畔管理試験を実施。14年から飯山市内太田地区の農家が取り入れ、現在、各地域で普及し始めている。
針田にある、のり面約10アールの畦畔に8月下旬、各農業団体やJA、普及センターから20人が集まり、芝「畦畔グリーン」の種子18キロを電動散粒機や動力散布機でまいた。種子は高温や土の乾燥に弱いため、8月上旬の炎天下を避け、JA管内では下旬からの播種を勧めている。
播種後、地面が湿っている状態で早ければ2、3日ほど、通常は1週間ほどで発芽する。発芽後は適度な追肥が必要とされる。普及センターの担当者は「強い肥料を与えると枯れてしまうケースがある」と注意を呼び掛けた。
JA西部支所営農課は試験地を設け、適正な追肥時期や種類を試験中だ。今回播種した針田の畦畔では当面の間、発芽後の肥料を散布せず生育状況を観察する予定だ。
この日参加した農家の男性(73)は「高齢化が進む地域で、この先何年も農業を続けていく上で、労力の軽減と除草作業事故の防止につなげたい」と期待を寄せた。

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