「長果25」を手に取り確認する参加者
JAちくまりんご部会は、早生リンゴの新品種「長果25」の積極的な導入に乗り出す。夏の高温により主力「つがる」の着色不良が課題となる中、「長果25」は着色の良い特性が利点。県内有数の早場産地のJA管内では旧盆前の出荷も期待できる。8月下旬の検討会では「早生の中で食味は一番」との声もあり、導入に前向きな声が多かった。
「長果25」は長野県が育成した新品種。収穫期は8月中、下旬で早生の主力「つがる」より5~8日早い。高温条件でも着色が良く、着色しにくい低暖地でも高品質なリンゴ生産が可能だ。1果300グラム程度で果皮は紫紅色。糖度は14、15、酸度は0.4%程度と、ともに「つがる」より高い。日持ちは常温で1週間、冷蔵で1カ月程度という。
同部会が8月26日に開いた品種検討会には、生産者約50人が参加。長野農業改良普及センターの石合恵美さんが特性について「着色が良いため軽い葉摘みで済む。生理落果も少ない」などと説明した。試食した参加者から「シャキシャキしてみずみずしく味も濃い」などと評価が高かった。
部会長の若林嘉夫さん(71)は「8月初旬に収穫が見込める。着色、食味も良く有利販売につながり、作業の省力化にもなる。部会で積極的に導入を進めたい」と話した。