あいさつをする坂原シモ会長
長野県飯山市で、郷土食の研究や発信、食育に取り組む「いいやま食文化の会」が、2015年度の「食育推進ボランティア表彰」を受賞した。全国から58の団体、個人の活動が推薦された中で表彰は9事例。地元の小中学生に郷土食や行事を伝え、次世代に文化を継承する取り組みが評価された。
同会は市内の40~70代の男女30人で構成。自ら編集発行した「信州いいやま食の風土記」を活用して飯山の郷土食を次世代に継承し、食育や地産地消を推進している。市内の小中学校や公民館などで郷土食講座を開いて地域の食文化を発信する他、「笹(ささ)ずし」「いもなます」など特色ある郷土食を紹介するレシピ集「未来へつなごうばあちゃんの味 かあちゃんの味」を発行するなど、さまざまな活動に取り組んでいる。
同市内で開かれた「食育推進ボランティア」内閣府特命担当大臣表彰を祝う会には、会員や行政関係者ら35人が出席した。
同会の坂原シモ会長は「郷土料理を地域に広げることは、地域の自然や農業を守り、人々の健康を守ること。ふるさとの魅力を後世につなげていけるような活動にしたい」と語った。同市の足立正則市長は「これからもますます、飯山のおいしい農産物や食文化の魅力を発信してほしい」と期待を寄せた。