マイマイガ大量発生に備え、早期防除徹底を

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マイマイガの防除に向け、行政など関係機関と対策会議(8日 JAちくま営農経済部 千曲市内川)

長野県のJAちくまは、長野農業改良普及センター、千曲市、坂城町と連携してマイマイガの防除対策会議を開いた。昨年に続き今年も大量発生する恐れがあり、果樹の葉、つぼみ、花の食害など農作物への被害が懸念されている。JA管内では3月下旬にふ化が確認されており、会議では若齢幼虫の早期防除などの対策を確認。JAは今後「マイマイガ特報」を発行し、防除を徹底する方針だ。
2014年度は、JA管内を含めた長野県北部から中部を中心にマイマイガが大量発生。一度多発すると2、3年継続する恐れがあり注意が必要とされている。
マイマイガの幼虫は黒色の毛虫で、森林の樹木に産み付けられた卵塊から春先にふ化する。若齢幼虫は体長5ミリ程度で、5月下旬~6月中旬には体長2、3センチになり、終齢幼虫となる7月ごろに体長7センチほどに成長する。幼虫は糸を吐いて風に乗って移動するため、広範囲で大量に発生する場合がある。
幼虫はカラマツ、ヤナギ類、ナラ類、ツツジ類などの落葉樹を好み、果樹ではリンゴ、梨、桃、ブルーベリーなどを食害する。幼虫には毒毛があり、直接触れると人によっては炎症を起こすこともある。
同センターは、3月23日に千曲市でマイマイガの卵塊を採集し、内部からふ化直後の幼虫を数匹確認した。また、4月2日以降には千曲市、長野市でふ化が確認されたという。
今年は気温が高めに経過しているため幼虫の発生時期が早まることが予想され、同センターの町田希実技師は「積算温度による幼虫のふ化時期を見極め、卵塊の除去と若齢幼虫の適期防除が大切」と説明した。
JA営農経済部の宮坂直隆部長は「発生予察情報の的確な発信により、若齢幼虫の防除を徹底する。行政機関と連携を図りながら防除対策を進めたい」と話す。

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