経営不安解決策探る

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山田社長に意見交換する参加者

JA長野信連は20日、JA長野県ビルで若手農業者向けの金融セミナーを開いた。農業経営者としての経営感覚を養い、農業所得増大につなげるきっかけにしてもらうことを狙い、初めて企画した。
農業資金の賢い利用方法や農業者が生産から加工、販売を手掛ける6次産業化の取り組みを紹介。九条ねぎを生産販売する農業生産法人こと京都の山田敏之社長が農産物ブランド戦略・地域戦略の講演をした。県内の若手農業者56人が参加し、農業経営に必要なノウハウを学んだ。
信連は、2013年から若手農業者の団体「PALネットながの」を中心に意見交換を行い、14年に3回シリーズで個別セミナー参加者の多くが「どのように農業経営を行っていけばよいのか分からない」といった悩みを抱えていることが分かった。
今回のセミナーは、金融セミナーの総仕上げとして、若手農業者が抱えている悩みを解決するために開いた。
山田社長は「農業を発展させれば、地域貢献できる。農業ブランドは強い。農業現場(こだわり)を知ってもらうため、消費者に伝える努力が必要」と自社の成長の歩みを紹介しながら、農業法人としての役割を話した。
20年前に就農し、売上高1億円を目指し、京野菜の九条ねぎの栽培に特化。「良い物を知らないと戦えない」と、3ヵ月間市場のせりを見学し、自社商品の位置を客観的に分析した。現在は、売上高15億円を目標に掲げている。
参加した若手農業者から経営者としての不安を一掃させる方法を問われ、「不安をそのままにせず、その要因を探ることが重要。数字を落とし込んだ綿密な計画を作成することで、妄想が構想に変わる」と助言した。

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