水稲直播 導入進む、育苗不要で生産拡大

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水田に直接種もみを播く部会員

JA信州諏訪の富士見町営農センター管内で、水稲直播(ちょくは)栽培の導入が進んでいる。水田に種もみを直接まくため育苗作業が不要で、高齢農家の生産拡大につながるとして期待されている。同町で直播栽培に取り組む農作業受託部会は今年、26ヘクタールで直播栽培を実施。2007年の導入以来、技術を改善しながら収量安定にめどを立てている。
同組合は今年、町内の31戸から前年より1.3ヘクタール多い26ヘクタールの作業を受託した。直播を導入した当初は、除草剤を散布するタイミングや水管理の難しさなどから収量は慣行の6割ほどにとどまった。しかし、JAと諏訪農業改良普及センターの支援により講習を重ねて技術向上に努めた結果、「現在、収量は安定している」(小池高徳JA営農指導担当)という。
5月中旬に行った今年の直播作業には、同組合の6人が参加。発芽を助ける酸素供給剤などと混ぜ合わせた種もみを、特殊な農機を使って水田に直播した。作業を委託している小池和人さん(73)は以前、水稲機械の更新時期に「大きな投資を避けられる」とJAから勧められて直播栽培を導入した。「細かな水管理が必要だが、育苗しなくて良いのが利点。これからも直播栽培を続ける」と意欲的だ。

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