カーネーションを1箱ずつ開封して検査するJA職員
JA信州諏訪管内でカーネーションの出荷が本格化してきた。6月下旬に1回目の最盛期を迎えた後、出荷は11月まで続く予定だ。2月の雪害で育苗中のハウスに大きな被害を受けた農家も多いが、今年度の生産を断念する農家は少ない。管内では86戸の生産者が約140品種を栽培し、12万ケース(1ケース100本)の出荷を計画している。
富士見町の花き共選所では5月下旬から、1本の茎に一つの花をつけるスタンダードタイプや1本の茎に複数の花をつけるスプレイタイプの出荷が始まった。夜温が低かった影響で例年に比べ出足は鈍かったものの、気温の上昇に伴って出荷量が順調に増えている。
同町の小林茂樹さん(70)は、鉄骨ハウス3棟で、濃いピンク色の「ジュリエットローズ」などのスタンダードタイプを中心に11品種を栽培している。豪雪でパイプハウス4棟が倒壊したが「今年中に再建し、来年度から生産を再開したい」と意欲を見せる。
高齢化による離農などを背景に、JAは今年度、昨年より1万ケース少ない12万ケースの出荷目標を設定している。