冬場の野菜作り、住民に手ほどき

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栽培のポイントを学ぶ参加者

JA長野厚生連佐久総合病院と佐久市、JA佐久浅間でつくる佐久市有機農業研究協議会は、同市臼田の実験農場で「冬の野菜づくり見学会」を開いた。有機農業に取り組む農家が講師を務め、冬でも家庭で栽培できる野菜の品種や播種(はしゅ)時期、管理方法などを紹介。見学会を通じて野菜作りを通じた豊かな食生活の実践を提案した。
見学会は、地域住民に農作業で健康な地域づくりを目指してもらおうと企画。市内外の住民ら約100人が参加した。開会で同協議会長の夏川周介氏(68)は「適度な農作業は健康維持に最適。体を動かして100歳まで作業できる健康づくりを目指そう」と呼び掛けた。
見学会では農場に設けた約100平方メートルのビニールハウスで冬の野菜栽培などについて説明。冬は夜間のハウス内の気温が氷点下になるが、地温は約5度を維持するため、農作物がしみてしまう佐久地域でも野菜が育つという。農場長を務める農家の川妻千将さん(69)は「家庭菜園なら小さなハウスで十分」と話した。
ハウスは2011年、冬の農作業を通じた高齢者調査を目的に設置。同市臼田の堆肥生産センターで、食品廃棄物や牛ふんなどを原料に製造した堆肥や米ぬかぼかし肥などを使い、公募した8組が暖房を使わず小松菜やホウレンソウ、シュンギクなど、数種類の葉菜類を栽培している。
見学会に参加した御代田町の金村潤一さん(70)は、東京から10年前に移住して畑を借りて自給野菜を栽培している。「野菜のおいしさに驚いた。健康と生きがいづくりに挑戦したい」と話していた。

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