農家からレタス栽培について説明を受ける新藤総務相
新藤義孝総務相がこのほど、川上村を訪れレタス畑を視察し、農業者らと意見を交わした。地域の元気づくりの実態視察や活性化に取り組む住民らと意見交換が目的で、長野県が全国で7ヵ所目。
7ヘクタールの広大な農地で野菜を栽培する農家の由井源明さん(39)のレタス畑では収穫の様子を視察。取りたてのレタスも試食した。JA長野八ヶ岳御所平蔬菜(そさい)出荷組合の埋原集荷所では、収穫した野菜を真空冷却装置で急速に冷やし、鮮度を維持して出荷する様子などを見学した。
視察後、藤原忠彦村長はじめ農業関係者と懇談した新藤総務相は「中山間地で農業という産業を確立し、人が集まり活性化している。川上村をモデルに、全国を元気にしていくヒントがあった」と同村の地域おこしの現状を高く評価した。
農業後継者として参加した中島貴志さん(35)は「大きい農家も小さい農家も野菜を作って生活していかなければならない。TPP(環太平洋連携協定)に参加しても農業を守るという言葉は聞くが、具体的な話はないので心配だ」と話した。
新藤総務相は「農業を守ることは国の安全保障でもある。安全保障を脅かしてまで国際的な枠組みに入ることはあり得ない。一方で、農業を外国に対して競争力を持てるようにしていかなければならない」などと答えた。