しめ縄を切り上林不動尊を目指す行者
立春の4日、寒明けを告げる伝統行事「千駄焼き」が山ノ内町の上林不動尊で行われた。同町の無形民俗文化財に指定され、行者が五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全、病気治癒を祈願した。
猿田彦命、須佐之男命などの面を付けた一行は渋温泉を出発した。所々に張られたしめ縄を刀で切りながら、約2キロ先の上林不動尊を目指した。到着後は、煮えたぎった釜の湯にクマザサを入れ、周囲の人々に湯を振りまく「湯加持」が行われた。
この祭りの最大の見せ場は直径4メートルのおき火の上を素足で歩く「火渡り」の行事。大勢の見物人が固唾(かたず)をのんで見守る中、3人の行者は灰煙を上げながら渡った。