資材コスト削減に力、省力型BB肥料推進

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肥料を配送トラックに積み込むJA南牧支所生産資材課の職員

JA長野八ケ岳は、農業所得増大に向けた自己改革の一環として、生産コストの削減に取り組んでいる。特に成果が上がっているのが、野菜出荷用段ボールの割安な特別価格による早期予約と、JA全農長野が販売する低コスト・省力型のBB肥料「わたしの肥料」の推進。各支所で生産者に活用を勧め、2017年度は前年を上回る注文を受けた。
野菜出荷用段ボールは、12月から2月の早期予約注文分で、レタスやハクサイなどの主要7品目に特別価格を設定。早期のまとめ注文による大量発注で価格を抑える。JAでは、17年度の野菜の総出荷量は2140万ケースを超え、資材コストの中でも段ボールが占める割合は大きい。特別価格を設定したことで、早期予約注文は昨年度に比べ約15%増加した。
BB肥料「わたしの肥料」の推進では、各支所の生産資材課と販売指導課が連携して情報を発信。17年度は、前年度対比で受注量が42%増加し、受注件数は22%増加した。
この肥料は農家ニーズに合わせた完全オリジナル。営農指導員が圃場(ほじょう)を土壌診断し、その結果を基に農家の要望を聞きながら成分を調整する。必要な成分だけを配合し、同じ肥料要素でも安価な物を選べるのでコスト削減ができる。従来は要素ごとにそれぞれ行っていた散布作業が、一度で済むのもメリット。畑に入る回数が減ることで土が硬くならず、作業効率は3割向上する。
資材の推進は、支所ごとに実施する。12月上旬から各地区で生産資材の説明会を開く他、販売事務所や資材庫を訪れる利用者にパンフレットなどを配り、活用を勧めている。
南牧村のJA南牧支所生産資材課の担当職員は「系統外を利用している方にも、何か役に立てることはないかと声掛けして、JAの資材を見直してもらうきっかけづくりを意識している」と話す。価格だけでなく、サービス面の強化にも力を入れていて、「組合員の利益のためにも生産資材課を活性化して、地域の農業を盛り上げていきたい」と決意を語る。
JAでは、販売事業でも契約取引の強化や、7、8月のハクサイの適正生産の対策として、ブロッコリーや加工キャベツの作付けを奨励するなど、農業所得の増大へ多面的に取り組んでいる。

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