大苗育て農家に、早期結実へ新品種も

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苗木を掘り起こす部会役員

JA中野市りんご・もも部会とぶどう部会は5日、大苗養成事業で育てた2年生苗木を掘り取り、組合員に配布した。大苗の状態で渡すことで、生産者自らが養成する期間が短く、早期結実が見込める利点があり、2005年から継続して実施している。これまでに配布した苗木は順調に成木化し、管内の生産基盤の維持と拡大につながっている。
今年の苗木は、リンゴ早生種の生産基盤構築を図るために、新品種「長果25(シナノリップ)」200本の養成を新たに行った。JAでは、同品種を温暖化で着色不良が著しい「つがる」に代わる早生種の基幹品種と位置付け、今年度から生産振興として苗木導入を開始。5年間で3000本程度の導入目標を掲げ、管内で栽培されるリンゴ全体の10%程度まで面積を拡大していく方針だ。
桃は、凍害防止対策と生産基盤拡大を目的に「払子(ほっす)台木付き苗木」500本を養成。その他、リンゴの「百年ふじ」を含む「ふじ」優良系統の3種類900本と半わい化用苗250本で、リンゴと桃の養成苗木数は過去最多の1850本となった。ブドウは「シャインマスカット」「巨峰」を含む4品種の555本を養成した。
苗木は、管内科野地区の園地に今年4月に定植し、部会とJAが協力して管理してきた。朝から部会役員とJA役職員が集まり、苗木を丁寧に掘り起こした。参加したJA営農部の佐々木真部長は「今年も立派な苗木に育った。組合員に、一年でも早く高品質な果実を収穫していただけるよう、今後も事業を継続していく」と力を込めた。

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