名武将たちの崇敬を集める神社で、聖なるパワーに感じ入る

生島足島神社

初詣や七五三、はたまた厄払いから結婚式と人生の節目に欠かせない神社。今回は上田市下之郷にある「生島足島神社(いくしまたるしまじんじゃ)」を訪れました。4月18日に行われた、なかなか見ることのできない祭事「御移神事(諏訪社還座祭)」や、1月14日に行われた「お筒粥ト神事(おつつがゆうらないしんじ)」の結果もお伝えします。

万物に生命力を与え、満ちたらしめる
何ともありがたい神社です

別所温泉から車で5分ほどの「生島足島神社」。何と言っても目を引くのはこの名前。御本社は万物(生きとし生けるもの)に生命力を与える「生島大神」と万物を満ち足らしめる「足島大神」の二神を御祭神とし、摂社(下宮)には諏訪大神がまつられている、何ともありがたい神社です。
平安時代の延喜式にも記述が残るほど歴史は古く、戦国時代には、武田氏・真田氏も信仰をよせたという由緒ある神社です。

生島足島神社

最古の様式とされる池心宮園地と神池内の神島に鎮座する御本社。ご神体は大地(土間)

由来を聞いて境内を歩いただけで、既に生気に満ち溢れた気になっている暢気な編集部員ですが、それには他にもちゃんと理由が・・・。ポカポカ陽気のこの日は、初宮詣(初宮参り)のご家族でそれはそれは賑わっていたのです。赤ちゃんを中心にキラキラ笑顔で写真を撮っている皆さんを見ていると、なんだかじわぁ~っと嬉しくなってきました♪

生島足島神社

生島足島神社

お宮参りの人々で賑わう境内

「おかゆ」を使っためずらしい占いがあるんです

早速、お清めお祓いの十三柱の神様が祀られている「十三社」から御本社でお参りしました。そのすぐ左手のおみくじ台に、何やら札紙が山のようにおいてあり、これが目当ての方もいるようです。

生島足島神社

生島足島神社

稲(早・中・晩)、蚕、麦~大根まで20品目の卜い結果

この札紙は、今年(2015年)1月14日に行われた「御筒粥ト神事(おつつがゆうらないしんじ)」の結果です。御筒粥ト神事とは、おかゆの状態でその年の稲・麦をはじめとする五穀、養蚕など20品目の豊饒を占う古式神事のこと。毎年1月14日に非公開で行い、翌15日に御筒粥卜奉告祭(おつつがゆうらないほうこくさい)として、結果発表が行われます。古来より農家は、吉凶占いの結果によってその年の農耕計画を立てていたそうですよ。今年の結果は写真の通りで、おおむね6分~8分とのこと。「作況指数」に注目してみましょうか。ともあれ、備えを良くすれば良い年になると言うことでしょうか。大豊作とまでいかずとも、穏やかな一年でありますように。

生島足島神社

御神橋附近でのんびり泳ぐアヒル・カモ

暗闇の中で行われる謎めいた神事
「御移神事」に立ち会う

朱塗りの御神橋が夕日に輝く午後5時、本殿内殿から「ドーンドーンドンドンドンドン」と太鼓の音が響きます。いよいよ「御移神事(御諏訪様還座祭)」の始まりです。御移神事(御諏訪様還座祭)とは、摂社(下宮)の諏訪大神様が11月から4月までの半年間の奉仕御籠り(おこもり)を終え、諏訪社の御座に戻られる祭事のこと。毎年4月18日に御移神事が、翌日19日に諏訪社例祭が行われます。

生島足島神社

午後5時、社務所から本殿へ向かう行列

宮司・神職・氏子総代さんら30名ほどの一行が、社務所から神池の参橋を越え御本殿へ。十三社でお清め・お祓いのお参りをして昇殿です。ここからは神事のため撮影禁止。「かしこみ~かしこみ~」厳かな雰囲気の中、粛々と神事が進められます。すると突然、本社内の灯りがおとされます。暗がりの中で宮司さんの衣擦れの音だけが聞こえる謎めいた神事でした。
30分程たった頃、氏子総代の方が御神橋の扉を開け始めました。お迎えに上がった一行と共に大神様が摂社にお移りになります。大きな夫婦欅の御神木に迎えられた摂社に到着すると、宮司・神職らによって還座され、続いて氏子一人ひとりが旗やお道具などを奉納します。

生島足島神社

御神橋を渡り諏訪社へお移り

生島足島神社

生島足島神社

諏訪社前へ到着

生島足島神社

氏子さんお一人ずつによるご奉納

普段から意識するまでもなく身近な存在の神社でしたが、こうした儀式を間近に見るにつけ感じたのは、やはり神社は太古より地域信仰の中核であり、神が降りる依代の地なのだということでした。

生島足島神社

十三の神様が祀られている十三社

生島足島神社

洞の中に男神(右)女神(左)が

2016年は7年に一度の御柱祭で盛り上がります

そして、さすが農耕の神様。これから、2015年6月25日の御歳代田作りをはじめ、7月の御田植神事、9月の田面神事と等など祭事が続き、11月3日にはまた御移神事(御諏訪様遷座祭)で御本社へ遷座(御籠り)されます。
また来年(2016年)は7年に一度の御柱祭です☆ 来年の今頃は、笛や太鼓と共に赤松の大木を住民総出で曳行する「お練行列」などで賑わっていることでしょう。ハレとケの境界でのんびり歴史散策をしてみてはいかがでしょうか?

生島足島神社

生島足島神社

  • 長野県上田市下之郷中池西701
  • TEL 0268-38-2755
この記事を書いた人

まちゃ

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