JA上伊那は上伊那ドローン連合と指定業者契約を締結した。農作業の負担軽減や作業効率を向上させ、持続可能な農業につなげることが目的。今年は管内の個人農家や法人など約40戸、約40ヘクタールの小麦圃場の防除を委託し、5月末までに各圃場2回の農薬散布を行う。
全国的に小麦の生産では、人体に有毒な「カビ毒」を生成し品質を落とす「赤かび病」の発生が懸念されている。開花期に曇雨天と高温が重なると発生しやすくなり、近年では上伊那地域でも発生しやすい気象条件が続いている。
同JAでは、昨年から開花期以降に2回の農薬散布をするよう呼びかけ、予防防除を徹底している。昨年から同連合に防除を委託し、今年1月1日付で正式に指定業者契約を締結した。委託することで、田植え作業が重なるこの時期の個人負担を減らすことができる。また、従来のブームスプレイヤーなどを使った散布方法よりも作業時間を短縮できるため作業効率が向上し、適期防除にも期待が高まる。
同連合は、株式会社CROSS BIRD(伊那市)をはじめ、県内外のドローン事業者9社で構成される。ドローンの操作技術に加え、農薬の特性や安全管理に関する知識を習得した操縦者が散布することで、高精度で安全性の高い作業体制を確保している。同JAから受託するほか、大口農家や法人などから個別で依頼を受けるなど、管内の小麦の栽培面積約220ヘクタールのほぼ全域の作業を担う。
5月19日には、同社の加藤航太CEOらが南箕輪村の圃場を訪れた。ドローンは地上3メートルほどの高さを飛行し、散布時間は10アール当たり約1分。加藤CEOは「作業を請け負うことで生産者の負担軽減につながればうれしい。また、機械が好きな子どもたちがドローン作業に興味を持ち、農業に関わるきっかけになれば」と期待した。
JA営農経済部米穀課の吉原由樹係長は「近年の気象変動により病害虫への対応は緊急性が求められる場面が多くなっている。ドローンを使うことで早急に対応していきたい」と話した。
管内の小麦の収穫は6月中旬から始まる予定。今後、水稲のいもち病やカメムシ対策への活用も検討していく。