5月12日、中川村「飯沼の棚田」で田植え作業が行われた。飯沼の棚田地域振興協議会ら約80人が参加。毎年、手植えや手押し田植機で酒米「美山錦」を植え、地域の伝統的な美しい農村景観を守っている。
飯沼の棚田は農水省が選定する「つなぐ棚田遺産 ~ふるさとの誇りを未来へ~」の一つ。大小さまざまな30枚の水田あわせて約1.2ヘクタールの棚田からは、中央アルプスや自然豊かな伊那谷を見渡すことができる。
協議会の構成員である地元企業の伊那食品工業(伊那市)や地元住民らが、日ごろの草刈りなどの水田管理を行い、人手が必要となる田植えや稲刈りは村や県、JA職員なども一緒に作業する。美しい農村景観を将来に残すため、産官民が一体となって棚田の保全に取り組んでいる。
この日は、面積が狭く機械が入れない水田を手作業で田植えをした。初めて挑戦する参加者も多かったが、地元住民らに教わりながら丁寧に苗を植えた。今後は、近年の夏場の高温に伴う水温の上昇を抑えるため、豊富な水源を活かした「かけ流し」で栽培管理する。
稲刈りは9月上旬となる見込み。棚田で栽培した酒米は、同社のグループ会社である米澤酒造株式会社(同村)が醸造する特別純米酒「今錦おたまじゃくし」の原料として使用される。
地元住民で長年、棚田を守り続けてきた協議会員は「地元有志だけで作業していたときは大変だったが、今は地域をあげて取り組んでいるのでとても助かる。この美しい棚田を守り、次世代につなげていきたい」と話した。