JA信州諏訪の主力農産物セルリーの出荷が5月8日、茅野市で始まった。矢島敬一さん(71)が、茅野市営農センター南部センター玉宮集荷所に126ケース(1ケース10キロ換算)を出荷し、「初出荷セレモニー」を開催。生産者やJA役職員約30人が出席し、安定生産・販売の1年となるよう祈念した。
JA管内は夏場、国内流通のセルリーの9割を占める産地だ。2026年度は、36戸がハウス・露地合わせて約120ヘクタールで栽培。出荷数量70万3800ケース、販売金額20億4800万円の達成を目標に掲げている。
矢島さんがこの日収穫したのは、1月5日にJAから苗を受け取り、3月4日にハウスに定植。ハウス内の温度管理や適切な防除を徹底しながら栽培してきたもの。午前2時30分から、妻の淳美さん・長男の照敏さんとともにハウス4棟(計12アール)で作業を開始。セルリーを切り、外葉を取り除いて整えてから株元の土を丁寧に洗い落とし、袋に入れた後、重さを量って箱詰めした。
品種は、春作では初めての「長・野52号」。管内ではセルリー疫病対策として、2024年10月に「ユニフォーム粒剤」、2025年12月に「ピシロックフロアブル」が登録拡大となった。日々の栽培管理に加え、両剤の使用で被害が激減。このことから、耐暑性を求めて2025年秋作で同品種を試験栽培したところ、茎数が多く、節間が揃っており、食味も良かったことから、春作でも導入した。
現在、管内では「諏訪3号」の生産が中心。今後、職員が矢島さんの「長・野52号」の株や枝の数、重さを同市に報告する。他品種と比較調査し、今後の生産振興に役立てる。
矢島さんは「後に続く生産者の模範となるような出荷ができ、一安心している。今年も健康に気を付けながら、おいしいセルリーを栽培したい。燃油や資材が高騰しているので、JAの販売力に期待している」と語った。
「初出荷セレモニー」では、段ボール箱からセルリーを取り出して品質を確認し、職員が販売方針や他産地の動向を説明。順調な生産販売を願って乾杯をした後、セルリーに特製の味噌マヨネーズを付けて試食した。参加者からは「色・形ともに大変良く、ボリュームがある」「みずみずしくてやわらかい」との声があがった。
名取孝雄代表理事専務理事は「厳しい栽培環境の中、素晴らしい出来栄えのセルリーを出荷いただいた。今年度もJA全体で農業所得向上に向け努力し、責任産地として消費者に新鮮な高原野菜を届けていく」とあいさつした。