JA信州諏訪管内で12月、エノキタケの出荷が最盛期を迎えている。原村の伊藤良永さん(80)は家族4人で毎日作業をし、JAに全量を出荷。今年の作柄は「重量があり、シャキシャキとした食感が味わえる。過去1番の最高の出来だ」(伊藤さん)と胸を張る。
伊藤さんは、諏訪市の造り酒屋に勤めていた20代に、JA職員の勧めでエノキタケの生産を始めた。自宅敷地内に、広さ約100平方メートルのエノキタケ工場を建設。現在は妻のせつ子さん、長男・次男と、瓶詰め・菌付け・菌かき・袋詰めなどの各作業に役割分担を設け、スムーズに進めている。
今年は11月初旬に初出荷。集荷時間に合わせて、毎日早朝から作業を始め、富士見町のJA富士見町営農センターに日量40ケース(1ケース30袋)を持ち込む。12月から1月の需要期に合わせて最盛期を迎え、2月中まで出荷を行う計画だ。
1瓶あたりで採れるエノキタケの重量は、200グラム弱の年もあるが、今年は250~260グラムほどに大きく育っている。単価も現在は、昨年より高値で推移しているという。
せつ子さんは「1日中エノキタケから目を離さず管理をしている。とくに、息子たちが手をかけて栽培してくれているおかげだ」と笑顔を浮かべる。
伊藤さんは「これから本格的な鍋シーズンを迎える。高品質なエノキタケを作って市場に出荷するので、ぜひ多くの人に味わってもらいたい」と呼びかけている。