JAあづみ管内で3日、リンゴ中生種の主力「シナノスイート」の出荷が始まった。出荷時期は平年並み。
JA営農経済事業部果実課によるとやや小玉傾向になったものの全体的に着色は良好で、糖度が乗り食味も良好だ。
安曇野市三郷温の中央果実選果所では選果スタッフ30人が果実の傷や日焼けなどを目視で確認。選果機のセンサーで熟度や糖度、大きさを判定し4等級に分けて箱詰めした。この日初選果した約900ケース(1ケース=10kg)を首都圏や関西、県内市場に出荷した。
2025年産は9万6200ケース(1ケース=10kg)の出荷を予定している。出荷ピークは10月中旬で10月下旬ごろまで出荷が続く。
「シナノスイート」は、県果樹試験場が早生種「つがる」と晩生種「ふじ」を掛け合わせた育成品種で1993年に開発された。糖度が高く酸味が少ないのが特徴で、果汁が多く甘味もあるため幅広い年代の消費者に喜ばれ、市場からの引き合いも強い。
こうした市場ニーズを背景に同JAでは、22年度から新たに糖度選別を導入。「優」以上の等級は、糖度14度以上として選別出荷する。県内JAでは数少ない取り組み。10月は競合産地・品目が出揃い、販売環境が厳しくなることから、他産地との差別化を図るとともに食味を遡及し高値販売を狙う。
営農経済事業部果実課の中村洋一課長は「糖度選別は10月の産地間競争の中でいかにして有利販売出来るのかを部会と共に検討し取組んできた。現在シナノスイ-ト・ぐんま名月の2品種を14度選別し市場に出荷している。今後もより多くの皆様に知ってもらいお店で手に取ってもらいたい」と話した。