JA上伊那とJA上伊那生活部会は9月24日、健康寿命創造運動「食生活セミナー」を伊那市のJA本所で開いた。長野県飯田市にある飯田短期大学の生活科学学科食物栄養専攻で、管理栄養士や防災士の資格を持つ髙木一代准教授を講師に、食の大切さや災害時の対策について学んだ。
セミナーは、JA長野県グループが取り組む健康寿命創造運動の一環で、同部会の60歳以上の生活班員が対象である、ナイスマーム講座の特別公開講座として開かれた。JAと同部会では、食生活改善の普及啓発活動を実践、推進することを目的に2013年から毎年行っている。
髙木准教授は「いざという時に備えよう! パッククッキングに挑戦」と題して講演した。近年、南海トラフ地震が今後30年の間に発生する確率は70~80%といわれており、管内でも強度の揺れが予想されているため、災害時の対策を考えておくことが必要だ。食材をポリ袋に入れて湯煎するだけで調理が可能なパッククッキングは、少ない調理器具で自宅にある食材を使って調理ができることから、災害時に活用できる。
この日は午前と午後の部に分けて、あわせて120人の部会員が参加。部会員らは、白米やホールコーンを入れたとうもろこしご飯や、りんごジュースとホットケーキミックスの蒸しパン、ひじきや大豆のドライパックと焼き鳥の缶詰などを使ったひじきの煮物などの5品を、実際に作って試食した。部会員は「想像以上にとうもろこしご飯がふわふわでとてもおいしく、炊き込みご飯風にさまざまなアレンジをしてみたい」と話した。
髙木准教授は「現在は精米技術も上がっており、無洗米ではなくても米を研がずにおいしく食べられる。受講してくれた人達が災害を自分事として考え、自分で自分の命を守ることにつながれば良いなと思う」と話した。