JA信州諏訪営農部は9月11日、管内で水稲成熟期調査を行った。定点調査・肥料試験・「リゾケアXL」調査を行っている田んぼ計6枚で実施。生育状況を確認し、定点調査・肥料試験の水田で坪刈りをした。2025年度の水稲栽培を振り返り、2026年以降の営農指導に役立てていく。
肥料試験を行っている田んぼで行うのは初めて。管内では現在、肥料成分の溶出速度がコントロールできる肥効調整型の肥料が多く使われている。作業の省力化や生産性の向上に繋がる一方で、被覆殻が海洋に流れるなどの環境負荷が懸念されている。JAグループが供給する、環境に配慮した新たな肥料を使って試験栽培を行い、収量や品質に問題がなければ実用化していく方針だ。管内2カ所で、試験区と隣接の対象区を設け、比較調査を行っている。
「リゾケアXL」は、水稲直播栽培向けに酸素供給剤や殺虫・殺菌剤をコーティングした種子で、2024年に初めて試験的に栽培。管内ではこれまで、カルパーコーティング種子を使っていたが、「リゾケアXL」の方が収量が多かったことから、今年から実用化している。目標収量の確保のため、引き続き生育調査を行っている。
定点調査は毎年同じ田んぼで行い、その年の生育状況を確認しながら指導へと役立てている。
この日は、同部職員10人ほどが参加。2~3人ずつの班に分かれて田んぼに入り、稈長・穂長を測って1株あたりの穂数を数えた。その後、収量調査をするため、肥料試験、定点調査の田んぼで坪刈り。田んぼ1枚につき3カ所計30株を刈り取って、農業試験場原村試験地にはぜかけた。今後、脱穀し、今年中に10アールあたりの収量換算を行う。
JA全農長野中信事業所営農資材課の西澤里佳係長は「例年にない猛暑の中ではあるが、稲は順調に生育しており、収量も期待できると思う。各試験についてもデータを取りまとめ、今後の水稲栽培に役立つものとしたい」と話した。