長野県南信試験場で開発した県オリジナルで新品種のなし「天空のしずく」が7月に品種登録された。県では「南農なし6号」としてこれまでも品種研究や栽培技術研究を進めてきた。2日、生産者、JAみなみ信州、JA上伊那、下伊那園芸農業協同組合、全農長野、県内農業農村支援センター、長野県南信試験場ら74人が参加し、高森町の南信試験場で行った「なし省力樹形導入検討会および「天空のしずく」適期収穫研修会」(長野県・長野県園芸作物生産振興協議会うまいくだもの推進部会主催)で「天空のしずく」の生育概要と収穫適期を共有し、省力樹形導入推進等を確認した。
収穫期は9月上~中旬の中生品種で「豊水」よりやや遅く、「南水」より早く収穫が始まることから県オリジナル品種のリレー出荷ができる。果実重は400~500g程度で糖度は15%程度とさわやかな甘みがあり、果汁が多くシャキシャキと歯ごたえがあり食味が良い。また黒斑病に抵抗性があるため、袋かけを必要としない。試験する定植3年目の平棚ジョイント仕立てでは生育が順調に進んでおり、今後収量・果実品質・生育量などの調査を行う。
地域全体で「日本なし産地再生プロジェクト」に取り組む中、同JA営農部果実柿課の山田昌治課長は「梨に対する消費者からの高い需要に応える梨産地の再構築を目指す。今後も関係者が力を合わせ、栽培技術や仕立て方法、品種の検討を進める」と話した。