JA上伊那野菜部会白ねぎ専門部は8月26日、白ネギ優良品種試験現地検討会を開いた。検討会には、同専門部の役員や上伊那農業農村支援センター、JA全農長野、JA担当職員ら15人が出席。生産販売状況や試験品種の生育状況を確認した。
白ネギはJAの主力品目の一つ。出荷する野菜の中で最も販売高が大きく、県内でも有数の産地だ。近年、管内の生産者や栽培面積は増加傾向で、上伊那地域は中京・関東地域の市場からも比較的に距離が近く、主要産地としての期待が高まっている。
同専門部では毎年、今後の気候や上伊那の栽培環境に合わせた品種を導入することを目的に、長野県優良品種選定事業として白ネギの優良品種試験を行っている。今年は、試験栽培1年目の「UE‐508」や昨年に引き続き「項羽一本太」や「龍美」など、8品種の品種試験に取り組んだ。
最初に、南箕輪村のJA上伊那野菜選荷場でJA担当職員が生産販売状況について説明した。今年の生育は、高温や7月の干ばつの影響で全国的に停滞していたが、8月中旬頃から降水量が増えて回復した。JA全農長野の職員は「今年の気温は高温や干ばつの影響で2023年度に近い傾向にあり、今後も高温が続く見込み。9月頃から多発する害虫被害を防ぎ、葉先の蒸れや劣化に注意をしながら適期に収穫を行ってほしい」と話した。
説明後は、JAのグループ会社である株式会社JA菜園の圃場へ移動して、白ネギの生育状況を確認した。部会員らは、白ネギを品種ごとに圃場から掘り起こして、長さや色、柔らかさ、形を確かめながら優良品種について意見を交わした。
JA営農経済部園芸課の小出順誠野菜係長は「気温が高すぎると白ネギの生育が停滞してしまうため、管内の栽培時期や栽培環境に合った品種を導入していきたい。また、種子代金などのコストを抑えて生産者の収入が増えるよう、様々な観点から調査するために今後も品種試験を継続していきたい」と話した。