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小谷村で雪中キャベツの定植 甘み増す冬の特産 | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|Sep 2, 2025 1:00:00 AM

長野県小谷村で、冬の特産品「雪中キャベツ」の定植作業が8月中旬から下旬にかけて行われた。豪雪地域特有の農法で育てられるこのキャベツは、雪の下で熟成することで糖度が増し、甘みの強い野菜として出荷される。雪中キャベツの栽培は、2017年に発足した「信州おたり雪中キャベツ生産組合」の個人農家と農家組合を含めて13件が行っており、技術の統一化やブランド化に取り組んでいる。
今年の栽培面積は約1.4ヘクタール、定植された苗は合計21,180本。このうち16,820本はJA大北が供給したもので、地域の農業支援体制が生産を支えている。
生産者の一人、早津秀實(ひでみ)さん(74)、妙子さん(75)夫妻は長年にわたり雪中キャベツの栽培に携わる。今年は3圃(ほ)場約12アールの畑に2,500本を栽培する。出荷用としては10年目の取り組み。定植は8月上旬から始めた。暑さ厳しい中「手作業の定植なので、時間がかかるが雪の下でじっくり育てることで、キャベツが本当に甘くなる。定植から収穫まで手間はかかるが、11月末には玉になり、しっかり降雪があることを願いたい」と汗をぬぐいながら笑顔で話し、畝に一本一本丁寧に苗を植えた。
雪中キャベツは、冬季に1メートル以上の積雪の下で育ち、凍結を防ぐために糖分を蓄える。収穫は例年1月頃から始まる。糖度は通常栽培の倍近い8から10度に達することもあり、サツマイモにも匹敵する甘さが特徴だ。
収穫されたキャベツは、村内の「おたり道の駅」や近隣の「A・コープ白馬店」などで販売される。