JAグリーン長野野菜部会根菜専門部は7月16日、長野市松代町のナガイモのほ場で農業用ドローンによる薬剤散布の実演会を開いた。生産者や長野農業農村支援センター、JA全農長野、JAなどが参加し、最新の農業技術について理解を深めた。現在は生産者がホースを使い、畝の間を一通りずつ歩いて行っている作業で、ドローンを利用して省力化、効率化につなげることが狙い。
事前にほ場の大きさ、形状などをドローンにマッピング登録し、オペレーターが操作をした。これまで1時間30分~2時間かけて作業していたという20アールの広さの薬剤散布を約3分で終えた。
この時期のナガイモは、畑に支柱を垂直に立てて蔓を上に伸ばして栽培しており、ドローンの風圧により蔓がとれてしまわないか心配があったが、蔓が外れることはなく問題ないことが確認できた。また、蔓を縦に伸ばしていることにより、高さ約3メートルから散布するため、下から巻き上げて葉裏に薬剤が届くか、ほ場の周りにどれくらい漂流するかなど吸水紙を使い確認した。吸着状況は通常手で散布するよりも量が少ないが、ドローンで撒く農薬の濃度が通常よりも高いため、今後の生育状況を観察して、効果を確認していく。8月には2回目の防除が予定されている。
ほ場の生産者は実演を見て、「時間かかっていた作業をあっという間にやってしまう。新しい技術を取り入れていく時代だよ」と話し、ドローンの作業に期待した。
グリーン長野管内では、米・麦などの穀物類の栽培にドローンを使用しているところはあるが、野菜ではまだあまり普及していない。今回のドローンでの防除の効果次第で、松代地区はナガイモの栽培が盛んでほ場もまとまっているため、広いほ場を対象にしたJA全農長野のドローン作業の委託も検討できるのではないかとの意見も出された。