JAみなみ信州管内で特産の小梅「竜峡小梅」「飯田小梅」の収穫が本格化している。今年は天候に恵まれ、カリカリ漬けの加工原料として適した大きさで収量も確保できる見込み。生産者が収穫し選果した良質な小梅が出荷されている。
20日、豊丘村の西元敏明さん(77)は妻のちずるさん(71)と収穫した小梅の選果作業を行った。西元さんのお宅では約40本の樹で竜峡小梅を栽培し、18日から収穫を始めた。この日は前日に収穫した約140kgを選果。週末には子どもや孫も総出で収穫作業を行う。機械でゆすり落とし収穫した小梅を少しずつ丁寧に選果機にかけ、ネットに詰めていく。今年は150袋(1袋20kg)の出荷を予定している。西元さんは「今年は程よい大きさで量もしっかりある。年々体力的に大変だが、家族の力を借りて今月いっぱいで獲り終えるよう、張り切って頑張りたい」と話した。西元さんのお宅ではカリカリ漬けの他、梅ジュースにして楽しむという。
同JA営農部によると、今年は2~3月にしっかりと冷え込み満開期が遅れたことで低温の被害もなく順調に生育が進んでいる。今年度約100トン(前年比124%)の出荷を見込み、今月26日~6月上旬をピークに6月20日頃まで、主に県内の加工業者へ出荷する。営農部果実柿課梅チーフの丸山大樹技術員は「生産者の皆さんは一粒ずつ手間をかけ丁寧に作業を進めている。家庭でもぜひカリカリ漬けにして楽しんでもらいたい」と話した。
同JA梅部会では生産者の高齢化や園地の老木化による生産量減を補い産地を維持しようと独自の苗木の助成を行っている。2024年度は155本を助成し産地の維持に取り組んでいる。