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気候変動に対応した技術向上を「市田柿加工学習会」 | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|May 2, 2025 2:30:00 AM

JAみなみ信州柿部会は1日、飯田市の同JA本所で気候変動に対応するための「市田柿加工学習会」を初めて開いた。昨年天候不順によって大変苦慮した加工環境に対し、課題と対策を学ぼうと同内容で3回学習会行い生産者約161人が参加した。今シーズンの生産加工対策に役立ててもらおうと、シーズン前のこの時期に開催した。
同部会の松澤正芳部会長は「昨年苦労したような加工環境が今後も続くことが懸念される。その中でも良質な市田柿を安定的に生産するために、部会全体での技術向上が必要。今日の学びを共有し、生産者それぞれの対策に活用いただきたい」と話した。
(一社)長野県農村工業研究所農業開発研究部の滝沢潤上席研究員を講師に「24年シーズンを振り返って~データから見る市田柿生産~」をテーマに説明を聞いた。昨シーズンは原料柿の極端な大玉傾向に加え、加工時期には温湿度管理に大変苦慮し品質低下やロスが発生した。学習会では気温や湿度、風などのデータに基づいた市田柿への影響を分析し、加工期における発酵、渋み、干場環境対策を具体的に提案。原料柿の適熟収穫の徹底と、気候変動に対応するためにはこれまでの経験や指導だけにとらわれず、干場や生産環境にあわせた適切な管理が重要と強調した。
参加した原田健夫さん(65・飯田市)は「2年前から温湿度管理機器を導入して自分なりに分析して干場管理を工夫し実践している。今後は産地全体でもデータに基づいた生産が必要になってくると感じている。部会の皆さんにもぜひ勧めたい」と話した。