JAグリーン長野管内で3月中旬、長芋の「春掘り」が最盛期を迎えた。春掘りは雪解け後から4月初旬頃まで収穫される。2月中旬から収穫作業を始めたという生産者は、「令和6年度産は生育期に雨が少なく、土が固めで芋の形状がやや細く、水を求めて長くなりがちだったが、病気も少なく、作柄として良い。春掘りはうまさが増すと思うので早めに出荷をしていきたい」と話し、芋を掘るスコップにも力が入る。
春掘りの最盛期に合わせて3月14日、野菜部会根菜専門部では長野市松代町のサンホールマツシロで「ながいも生産販売検討会」を開催。秋掘りの出荷販売経過を振り返るとともに、市場から産地への要請事項、長芋の栽培課題への対応策を学んだ。2月末の実績は、単価高で進んだものの、数量前年比で85%、金額計画比で92.3%、数量減少分に比例し金額実績が伸び悩んだ。この中、会議では市場や契約取引業者からの評価などを含めて情勢報告として需要も高く積極的な出荷について要請され、生産者も意欲を高めた。
また、他産地の品質や味などを知り、栽培に生かそうと、当JA管内産と、北海道、青森、県内他産地の長芋の試食会を開催。当管内産を含む6カ所の芋について、すりおろしたものと角切りにしたものをそれぞれに試食。生産者の一人は、「それぞれに土が違うので、少しずつ水分量や味の違いもあることを改めて感じた。この産地の柔らかい土を生かして、みずみずしく形状の良い芋を作っていきたい」と話していた。
五明博彰根菜専門部長は、「先日松代町岩野の長芋掘りの助っ人に行ったが、何名か(生産を)辞めたとのことを聞き、長芋の生産者が減ってきていることを実感している。自分も50(歳)となり、健康年齢を考えて何年できるかと考えることもあるが、できる限りのことをしていきたい」と話し、健康と農作業事故に留意しながら、仲間に多くの出荷を求めた。