JA上伊那果樹部会は3月4日、伊那市のJA上伊那本所で2024年度JA上伊那果実販売反省会を開いた。24年度の生育経過や販売を見直し、25年度の栽培に生かすことが目的。市場担当者より販売経過や産地への要望などが報告されたほか、グループワークで情報交換した。
24年度は暖冬の影響から越冬したカメムシが多く、リンゴを中心にナシやブドウでも被害が発生。夏場の高温による過熟や内部褐変も見られた。9~10月も高温が続き、リンゴの「シナノスイート」や「サンふじ」で着色不良となり、10月は平年に比べて雨量が多かったため、「サンふじ」の胴割れの発生を助長するなど生産者にとっては栽培の難しい年となった。
管内の果樹栽培面積は前年より約5ヘクタール多い、約325ヘクタール。リンゴのシナノリップやブドウのシャインマスカット、ナガノパープル、クイーンルージュ®などの面積が増加した。また、リンゴの高密植栽培も進み、栽培面積全体の約3分の1を占めている。
反省会には生産者や市場担当者、JA役職員など69人が出席。24年度、同JAから最も出荷が多かった名古屋青果株式会社の担当者は「品質の良い物はもちろんのこと、下位等級となってしまった果実も工夫しアプローチしていきたい」と話した。
グループワークでは品目別に分かれ、産地やJA、市場それぞれの改善点や今後の取り組みなど、果実をより多く、高く販売するための情報交換を行った。
同部会の鈴木博士部会長は「果樹全体の販売金額が前年を上回ったのは生産者や市場担当者の努力、関係機関の協力があったからこそ。25年度も生産環境が厳しいことが予想されるため、情報交換等でより良い年となるよう話し合ってもらいたい」とあいさつした。