JA上伊那野菜部会は2月10日、サヤインゲン出荷反省会を伊那市のJA春富支所で開いた。生産者やJA担当職員ら45人が出席。2024年度の出荷販売実績や25年度の出荷販売計画などを説明した。25年度は、さらなる安定出荷を目指し、試験栽培に力を入れる。
上伊那は、長野県サヤインゲンのシェア率34%を占める県下一の産地。全国的に栽培面積が減少する中、上伊那は面積、販売金額ともに増加していて、市場からの期待が高まっている。サヤインゲンは、病院や保育園の給食などに国産を求める声が多く、年間を通して需要がある。
24年度は、夏場の高温による落花や落莢、生育不良、日焼けなどが発生。出荷箱内の蒸れによる白カビの発生も確認されたことから、しっかりと表面の水分を乾かしてから箱詰めするよう呼びかけた。今年度は若手農家の増加や戸当たり面積の増加により、出荷数量は前年対比26%増の約3万8000キロとなった。
25年度は、近年の高温によって発生が早まっている病害虫の防除の徹底を呼び掛けるほか、高温対策や新品種の試験栽培を進める。また、出荷時の品質を保つため、今までの出荷は専用の段ボール箱のみだったが、風通しのよい専用コンテナでの出荷も受け入れると提案した。
JA営農経済部園芸課の小出順誠係長は「上伊那のサヤインゲンの生産も一時は減少していたが、回復傾向にある。手間はかかるが収益につながりやすい品目のため、反省点を生かして来年度の作付けをしてほしい」と話した。