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冬の特産品「雪中キャベツ」品種変更で出荷はじまる | 県内JAの話題 | JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

作成者: いいJAん!信州|Jan 30, 2025 12:00:00 AM

長野県の北部に位置する小谷村では、雪の中で熟成させた「雪中キャベツ」の出荷が1月6日から始まっている。雪中キャベツは、一般的なキャベツに比べて甘みが強く、柔らかく、ジューシーなのが特徴。雪中キャベツの栽培は、2017年に発足した「信州おたり雪中キャベツ生産組合」が行っており、生産農家の技術の統一化やブランド化に取り組んでいる。今年は雪が多く、雪の中で熟成したキャベツは甘味を蓄え、みずみずしくシャキシャキした食感が特徴だ。8月中に定植し、根が付いたまま冬を迎え、雪の下で2週間以上熟成させることで、一般的なキャベツに比べて糖度が高くなる。収穫期を真冬に合わせて根をつけたまま雪の下で育てるため、糖度が4~5度に対して8度以上、高いときで10度にもなるという。 
雪中キャベツの生産は、同村の農家らが結成した「信州おたり雪中キャベツ生産組合」が行っている。今年は約1.5ヘクタールに約20,500本の苗を定植。今年は降雪が昨年より早く、安定した積雪や気温の冷え込みもあり、甘みがしっかりとのった高品質のキャベツが完成した。玉の大きさも2キロ程と平年並みで、収穫量は約13,500玉を見込んでいる。1月中をピークに収穫、出荷作業が行われる。同JA北部営農センター小谷センターの小口爽真さんは「2024年度は前年同様に異常気象に見舞われましたが、各生産者の努力で高品質の雪中キャベツが収穫できた」と話している。 
雪中キャベツの収穫は、1月から2月にかけて行われる。雪が2メートルも積もる日もあるため、重機やスコップを使って雪を掘り、キャベツを傷つけないように丁寧に収穫する。今年のキャベツは「夢舞台」という品種に変更され、低温や霜、雪が積もったり解けたりを繰り返すことで黒い斑点ができる「内部黒変症」に強く、品質向上が期待されている。味はこれまでのものと大差ないとされる。 生産者の北小谷生産組合の小池利治会長は、「品種を変更したが甘くて美味しいキャベツが収穫できたので、多くの人にぜひ味わっていただきたい」と笑顔で語っている。
雪中キャベツは生で食べてもおいしいが、お肉と炒めたり、ロールキャベツにしたりすると、さらに甘みが引き立つ。また、キャベツの芯は天ぷらにすると、サクサクとした食感が楽しめる。雪中キャベツは当JA農産物直売所「ええっこの里」のほか、同村の道の駅や県内一部スーパーなどで販売されている。