豊丘村のJAみなみ信州総合集荷販売センターでは、正月商材「南天」の出荷最盛期を迎えている。4日には約600ケース(1ケース5kg)を受け入れ、同JA職員が1箱ずつ出荷前の検品作業を行った。
今年は豊作だった昨年より収穫量の減少を見込んでいるものの、高温で少雨を好む南天は今年が適した気候であったことから、実がしっかりとついた高品質な南天が出荷されている。2日から始まった房南天の出荷は今月4日頃をピークに、13日頃まで続く。13日から枝南天の出荷が始まり20日頃まで出荷していく。今年の出荷を平年並みの3,000ケース(前年比55%)と見込み関西を中心に関東、中京へと出荷する。
同JA営農部農産課の下井郁夫係長は「生産者は短期集中の出荷に精を出し高品質なものがでてきている。南信州産の南天で多くの方に華やかにお正月を迎えてもらいたい。省力で栽培できる空いた土地の活用にもおすすめの品目なのでぜひ栽培を検討してもらいたい」と話した。
南天は「災難を転じる」と言われ、古くから縁起物として好まれ魔除け・厄除け・無病息災を願い多くの家庭で栽培されてきた。同JAでおよそ220人の生産者によって栽培される南天の生産量は県内でもトップクラス。軽量で扱い易いことから、中山間地が多い同JA管内では傾斜を活用した南天栽培が盛んに行われている。出荷形態は主流の房のみと、枝つきの2種類で主に正月飾りとして加工される。市場からは「安定した出荷量があり高品質な産地」として期待され安定した需要がある。同JAでは生産者が毎年苗木の新植に取り組み、生産量維持・拡大を図っている。