JA上伊那営農経済部は10月31日と11月1日の2日間、晩生種「サンふじ」の出荷規格説明会を管内8会場で開いた。31日に箕輪町のJA上伊那果実選果場で開いた説明会には、生産者82人が出席。生育状況や収穫、出荷の要点を確認した。今年は新たに高密植栽培の果実のみで荷造りする方法を試験的に始めるほか、カメムシ被害を受けた果実の特別集荷を実施する。集荷は11月5日から始まり、12月中旬まで続く予定。
今年は7月下旬から8月上旬に降雨が少なかったことやカメムシ被害、収穫前の降雨によるつる割れ果の発生で、収量の減少が懸念される。
説明会では実物を使って、着色や果形、キズなどの程度を確かめ、出荷規格を確認した。管内での出荷量が増えている高密植栽培のリンゴは、大きさや着色が揃いやすいことからモールドパックを使わずにバラ詰めで市場へ出荷し、経費削減を図ることを説明。生産者が同選果場に持ち込む際の伝票には高密植栽培と分かるように記載することを呼びかけた。
カメムシ被害を受けた果実は見た目に影響があるものの、品質に大きな影響はないことから、通常は加工品としての出荷となってしまう被害の大きい果実を特別集荷することを説明。職員販売や管内A・コープ店などで特価販売する予定。
JA担当職員は「気候が変わってきているため、例年の日程で収穫を始めるのではなく果実の状態をよく確認し、収穫遅れがないように作業を進めることが重要。収穫時には1年の反省点も見極めながら作業し、来年の栽培に活かしてもらいたい」と呼びかけた。