JAみなみ信州は7日、職員の防犯対策への意識の向上を図り防犯訓練を行った。飯田警察署の協力のもと毎年行っており、今年は伊賀良支所で同支所職員、飯田警察署、公益社団法人日本防災通信協会らおよそ30人が参加し緊迫した状況の中、特殊詐欺、金融機関を狙った強盗に対する訓練を行った。
強盗訓練で窓口対応をした同JA総務信用課の井上加奈子係長は「訓練とわかっていても刃物を向けられるとかなり動揺してしまった。万が一の時に自分だけではなくお客様の安全を守る行動ができるよう、日頃から考えなければならないと実感した」と話した。
特殊詐欺対応訓練では、高齢者が高額の定期預金の解約に訪れ、不審に思った窓口担当が詐欺の疑いがあるとして管理職に報告、来店客を説得し警察に通報するまでを訓練した。また、強盗対応訓練では刃物を持った強盗犯が金銭を要求。合言葉で非常事態を店舗内で共有し非常通報装置を作動させ警察へ通報、逃げた犯人にカラーボールを投げつけるなどし、警察到着後、犯人の特徴などの事情聴取を行うまでを訓練した。
同署生活安全課生活安全少年係の酒井航主任が講評を行い、普段からの声掛けや来店客の異変に気付くことで被害を防げることもあるとし、防犯意識を高く持ち業務にあたるよう呼び掛けた。10月7日現在本年中に長野県下では電話でお金詐欺が160件発生、被害総額約5億6,700万円(同署管内10件、約1,294万円)、被害が急増している投資詐欺は104件発生、被害総額約12億9,000万円(同署管内で11件、約1億1,912万円)が発生、またコンビニや住宅を狙った強盗事件も発生している。
同支所の村澤勲支所長は「地域の皆さんに安心してご利用いただけるよう、日頃の声掛けを徹底するなど支所全体で防犯対策をしっかりと行っていく。お客様の大切な命や財産を守れるよう努めていきたい」と話した。