JAみなみ信州野菜部会阿智きゅうり専門部は愛知県の量販店(株)ヤマナカと連携して名古屋市の店舗で7月の14日と28日に「朝採りきゅうり販売」を、生産者が売り場に立つ「消費宣伝」を21日に行い、自分たちがこだわりつくる「阿智きゅうり」を消費者へ直接PRした。
「阿智きゅうり」は20年ほど前から生産者と同JA、市場、仲卸業者、(株)ヤマナカで連携し生産者が売り場に立って消費者と交流しながら消費宣伝を行い販売してきた歴史がある。「阿智きゅうりをもっとPRできないか」との協議の中で朝どりきゅうり販売の取り組みが8年ほど前から始まった。コロナ禍で一時中断していたものの消費者からも好評だったため昨年から再開した。地の利を生かした鮮度抜群のきゅうりの売れ行きは上々で、阿智きゅうりの知名度も定着してきた。
朝採りきゅうりの出荷、消費宣伝にも参加した内田咲子さん(70・阿智村)は「朝採りきゅうりの出荷日には夫と協力して日の出と共に収穫作業を始め出荷時間の6時50分までに収穫・荷造りをした。消費宣伝では、きゅうりのイボで鮮度を確認する様子や一人暮らしの高齢者が1本ずつ大切に買っていく姿などお客さんの様子を見ることができうれしかった。甘くておいしいとの声を直接聞けることも日々の生産の励みになる。お客さんとの交流を楽しみながら自慢のきゅうりをしっかりPRできた」と話した。
同JAのきゅうりの出荷では、収穫したきゅうりを同JA総合集荷販売センターに集め予冷庫で一晩ゆっくりと冷やし鮮度を維持しながら翌日市場へ出荷するため、売り場に並ぶのは早くても収穫から翌々日になる。「朝どりきゅうり」は市場を介さず特別便のトラックで集荷し店舗へ直送することで、その日の午後には取れたてのきゅうりを売り場に並べることができる。また「阿智きゅうり」は土壌診断の実施や阿智村でつくる堆肥を使うなど良質な土づくりにこだわり、地域ブランドとして生産者が誇りを持って生産している。阿智きゅうりは独自に販売先を特定しており生産者と売り場の信頼関係によってイベントを行うなどシーズンを通した売り場の確保につなげている。