JA上伊那や減農薬米栽培協議会、生活クラブ連合消費委員会、生活クラブ連合会らは7月31日と8月1日、2024年度第1回JA上伊那ビジョンフード産地推進会議を開いた。宮田村のリンゴ園や水田、JAが水稲推奨品種を栽培する伊那市の伊那米総合試験地などを視察。生産者やJA担当職員が栽培方法や生育状況などを説明しながら、交流を深めた。その後、伊那市のJA本所で生活クラブに出荷する減農薬米「上伊那アルプス米」について意見を交わした。
同会議は、人間が暮らしていくために欠かせない農畜産物「ビジョンフード」の利用結集活動を推進するための情報を共有することや、生産や消費の持続性に向けた課題・計画の見直し、産地の生産実態を把握することが目的。安全安心な販売に向けて、年2回、生産者と消費者が顔の見える交流を行っている。
初日の視察では、生活クラブ長野との交流園である清水農園を訪れ、上伊那で推進しているリンゴ高密植栽培の特徴や、近年の気象変動による生産への影響などを共有。上伊那アルプス米を栽培している水田では、出穂し始めた稲の様子やいもち病発生を予察するクロップナビについて学んだ。
翌日の会議では上伊那アルプス米の栽培計画や、利用状況などを確認した。昨年、管内では夏場の高温で一等米比率がやや低下。今後も高温の影響が心配されることから耐熱性のある品種への切り替えを協議していくことや、病害虫対策などの栽培基準を見直すことを検討した。また、生活クラブでは現在ある上伊那アルプス米2キロ袋の予約化や、新たな消費材として180グラムのパックごはんを計画していることなどを共有した。
管内の生産現場を視察した連合消費委員会の委員は「栽培の大変さや工夫は現地を訪れ、直接生産者に聞かなければわからないことがたくさんある。実際に栽培している現場を見られてよかった」と話した。