JAグリーン長野は、長野県野菜花き試験場と連携し、「生分解性ナガイモネット」の試験を6月14日、長野市松代町の長芋ほ場で行った。昨年に引き続き2年目。プラスチック不使用のネットへの代替と、その効果を検証するものだ。
今回も昨年同様、愛知県の松山毛織株式会社と県野菜花き試験場の連携によって試作された野菜栽培用ネットで試験。今回の使用品は、実証試験の結果において試験場や生産者から集まった声を元に改良されたもの。メーカー担当者によると、綿100%、使用後に畑に残存しても、10cm程地中に埋まれば、2カ月ほどで土に還り、たい肥化も期待できる。試験用ネットは、生産者の労力軽減を目的として、(1)「重量」を軽量化したもの、(2)予めネットに横ひもを通し、支柱にかけやすくしたもの、計2種類を試験。(1)はネットの糸を細くし、耐荷重7kg、高さ1.8メートル、長さ90メートル。強度は2割ほど下がったが、昨年度試験したものに比べ、3割ほど軽量化。県野菜花き試験場が昨年行った試験では、一部糸が切れたが、栽培においては十分な強度であることを確認している。
同JA野菜部会根菜専門部の生産者2名が協力。メーカー担当者と試験場職員、JA職員が立ち会った。そのうち、若手生産者の高野哲さん(同市松代町)のほ場では、1畝約50メートルに、予め等間隔で支柱が立て、(1)のネットを2畝分、(2)のネットを1畝分、高野さんが張った。(1)のネットについては改良の要望が上がったものの、従来品と同様の労力・時間で作業を終えるなど、作業性が確保されたことを確認。一方、(2)は横ひもを支柱にかける際にネットが絡まりやすく、ほかの品目に比べ、畝が長い長芋には向かないことが確認できた。メーカー担当者は「((2)は)ハウス栽培などで使ってもらった際には、一人でも張りやすいとの結果を得たが、畝の長さが2.5倍以上ある長芋では同じようにはいかないことが分かり、試験していただけて良かった」と話した。高野さんは、「作業はやりやすかったので、最終的に土にちゃんと還るかまで、様子を見ていきたい」と期待を寄せた。
JAでは試験を行っていることを専門部員に周知し、実際に現地で内容を確認してもらうほか、結果に応じ、環境に配慮した資材導入を薦めていきたい考え。