長野市篠ノ井の農事組合法人ゴトーファーム(後藤貴史社長)は、湛水直播栽培用コーティング処理済み種子「リゾケアXL」を使った田植機による直播の試験栽培を3ヘクタールで行った。苗づくり等の作業省力化と収量の確保を狙ったもの。もち米「モリモリモチ」「風さやか」の2品種を試験する。
同法人では昨年度、ドローンによる直播作業を40アールで行った。収量確保と省力化という成果を得たが、田植機に比べ、肥料を同時散布できなかったため、今年度は同社所有の田植機に直播用のアタッチメントをつけ、肥料と除草剤も同時散布できるようにし、直播面積を拡大した。
作業は6月2日・3日に実施。8条植えの田植機に直播機(アタッチメント)を装着し、後藤社長が運転、苗づくり作業削減のほか、作業前の苗運び、苗の補給も不要となり、労力の削減につながることを体感した。「リゾケアXL」は水稲種子へのコーティング処理により、出芽・苗立ちの安定化、苗腐病や初期害虫に対する効果に期待が高いが、後藤社長は従来の苗定植に比較すると出芽や播種後の水管理、鳥害などを懸念する。「まだ“賭け”の部分もあるが、直播による省力化に期待は大きい」と言い、試験結果に応じて直播面積の拡大を検討する考えだ。