JAあづみ管内で夏から秋にかけて栽培する夏秋いちごの出荷が始まった。同JA管内は全国有数の産地で、2024年度は51戸の部会員が、栽培面積617アールで、同JA夏秋いちご部会業務部・市場部合わせて出荷数量20万キロ、販売計画は4億4332万円を目指す。
市場・実需ニーズを的確にとらえた出荷をするため市場向けの市場部と大手菓子メーカーなどと取引する業務部の2本立てで対応。高品質なイチゴを多くの実需者に届けるため、圃場巡回による技術指導や携帯アプリ「LINE(ライン)」を活用した産地情報の共有など、個人の反収を向上させ、市場部では1株で1.5パック、業務部は10アールで3300キロの目標出荷量の確保に努める。加えて、数量減少に直結する高温・アザミウマ対策として遮熱資材や細霧冷房(ミストシャワー)の設置、天敵等を組み合わせた防除体系を模索するなど、実証試験を進める。
24年産は概ね順調な生育。今後、6月下旬にかけて発生するアザミウマなどの害虫被害抑制のため、生産者には農薬防除や栽培管理などによる対策を呼び掛けていく。
20日、管内の生産者が持ち込んだ「すずあかね」などをJA職員が傷の有無などを目視で確認し、洋菓子メーカーや関西、県内市場に出荷した。出荷作業は11月末まで続く予定だ。
管内で主に栽培する品種は、北海道の種苗メーカーが開発した「すずあかね」を主体に、県独自の「サマーリリカル」など3品種。いずれも5月中旬から11月末までの長期出荷が可能。約6割は業務用に大手洋菓子メーカーなどに販売し、約4割は関西や県内など市場に出荷する。
同JA営農経済事業部農産課の増田真生営農指導員は「実需者の需要に併せた出荷量や品質の確保、産地としてのブランドを維持向上できるよう、技術情報の発信や行政と連携した試験の実施など、農家手取りに繋がる栽培指導を行っていきたい」と意気込んだ。